まず、情報がまったく何もなかった。まったく情報がないまま、急に「体験版」が出た。
それがすべての恐怖の始まりでした。
世間では不評だった前作バイオ6ですが、僕はけっこう好きでした。
FOV(視野)の狭さや失敗=即死のQTE(とっさにボタン入力を要求されるシステム。シェンムー)の多さは確かに気になっていましたが、プレイアブル(遊べる=操作できる)なキャラクターは本編だけで7人と総決算を思わせるだけ登場していましたし、しかも、それぞれのキャラクターのシナリオがボリュームたっぷりでした。そしてなにより、おれのエイダがたくさん登場していて、しかもどのシリーズのエイダよりもダントツで美しかった。
やっぱエイダ様よなぁ…。
7ではどんなエイダ様が見れるんだろうなぁ。
バイオ7についてまったく何も知らなかった僕は、そんなことを考えていたような気がします。
そして、突然、体験版が出た。
嬉々としてプレイして……。
唐突にビデオの録画映像からゲームが始まり……。
そして、度肝を抜かれました。
どんなストーリーなのか、そもそもどんなゲームなのか。
今までのバイオハザードとどう関係があるのか。
まったくわからない
何もわからないのに、ただただ、圧倒的に最悪に怖い。
ビデオの再生が終わったことを示すTVの信号音と共に体験版が終わった時。
ちょっと唖然としながら、
「はは・・・最悪や」
とつぶやいたのを、今でも覚えています。
最悪。
そう、この体験版は最悪でした。
普通だったらそれこそ最悪な評価に思えるこの言葉は、本作にとっては最上の誉め言葉なのです。
成長する体験版
そして、この「よくわからんが最高に恐ろしい体験版」は、普通ではありえないことをしていました。
体験版のクセに、なぜかバージョンアップを繰り返すのです。
その度に、行けるところが増えて、なんと、体験版の結末がいくつかに分岐するようになっている。
それも、少し工夫したらたどり着ける類のものから、攻略サイトでも見ないと絶対わかんないだろコレっていうものまでありました。
そして、そんないろんな分岐を経ても、やはり「7がどんなゲームか」わかるような手掛かりはほとんどありませんでした。「えっ、幽霊?! 今回オカルトなの?!」とか、困惑することばかりww
ただ、今回はガチでヤる気やぞ、コイツら・・・(開発スタッフ)
という雰囲気というか、圧力というか、熱気のようなものだけは、ビンビンに伝わってきていました。
そして…
まったく前情報がない状態での、本編発売。
満を持してリリースされた本編。
今まで一切の情報がシャットダウンされていた分、ストーリーやいろんな情報がものすごい勢いで取り込まれていく!!
面白い、ものすごく面白いけど、
ものすごく怖い。
特に中盤までの怖さは、他のゲームと比べてもダントツなんじゃないでしょうか。
バイオ7の「恐怖」
バイオ7の怖さは、一言でいうと、
「悪意」の恐怖。
今回の敵はゾンビでもなければ、寄生虫でもありません。
実際は色々な背景や理由や事情があるにせよ、基本的には「人間そのもの」です。
「人間」がこちらに向けて本気で殺そうとして向かってくる「悪意」。
それを正面から受け止めることに慣れている人間が、果たしてこの世にどれだけいるでしょうか。
でも、それだけじゃないんです。
最初はあまりの違いでビックリさせられるんだけど、
ちゃんとバイオしてましたw
あれだけ大胆にシステムを作り変えているのに、ちゃんとバイオハザードになっていたのはスゴイなぁと思いました。
謎が解明されていくにつれ、前半のホラー色は徐々に薄れ、その分最初に感じた恐怖心は薄らいでいく。
でも、それが心地よい。
それを物足りなく思う人もいるかもしれないけれど、恐怖心って強い感情な分摩耗も早いから、僕個人としては、このスピーディーな展開の変化はとても楽しめました。
気が付けば、あっという間にトロフィーコンプリート。
最初から最後まで、ここまで夢中にさせられたゲームはなかなか、ありません。
少なくとも、バイオハザードシリーズでは初めての体験でした。
最高に最悪なバイオハザード(誉め言葉)
今まで積み上げてきたものをすべてぶち壊すような本作。
今回のバイオは、そもそもTPS(3人称視点)ですらありませんでした。
ここまでの変革をするにはきっと、ユーザーだけでなく社内の意見をまとめるだけでも大変だったことでしょう。
それをあの異質すぎる体験版と、一切の事前情報シャットアウト。
そして本編のすばらしさ。
トータルで見てもお見事というしかないです。
最高に最悪(誉め言葉)な作品。
この素晴らしい改革に心からの賛辞を贈りたいと思います。
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