近接格闘やそのシステムについては、こちらの動画で私自身の解説で詳しくご紹介しておりますので、こちらをご覧ください。

「ヒュドラの教室」には、戦闘のスペシャリスト、御堂たまきにふさわしい銃器や近接格闘武器など、数多くの武器が登場します。

ご覧いただいている武器は、本作に登場する武器の中のほんの一部にすぎません。
現在調整中のものなどを含めると、最終的には50種類程度の銃器が登場する予定(理想)です。

以下の項目では、登場する武器のうち、銃器に焦点を絞ってご紹介します。

「ヒュドラの教室」に登場する銃は、ただの銃ではありません。

自衛隊に最近配備されたばかりの最新式アサルトライフルをはじめ、あの黒髪の髪の長い俳優さんが伝説の殺し屋として映画の中でさんざん撃ちまくったおかげで、実銃の販売価格がオークションで8000ドルを超えている、あのカスタムハンドガンも登場。

メーカーロゴをそのまま使うのは問題があるので、映画で有名なあの銃には、ヒュドラのマークと共に、それが松涛北高校工学部のカスタムであることを示す「SHOUTOU TACTICAL INNOVATIONS」の刻印を刻んでみました。

他にもSOCOMやネイビーシールズが採用しているアサルトライフルやハンドガン、近未来的フォルムが特徴的なイスラエルの最新式ブルパップライフル、チェコの伝説的名作ハンドガン、3点バーストやフルオート射撃が可能な官公庁専用のイタリア製のハンドガン、各国の特殊部隊で採用されているドイツ製の最新式アサルトライフルなど、「登場させる価値のある」「ゲームの中で使いたい」と私が感じている武器ばかりをこだわり抜いて選んでいます。

圧倒的な連射力を持つサブマシンガンがどの距離でも敵を倒せたら、様々な武器を持つ必要がありません。
いくらたくさんの武器があっても、それぞれの差異がただの数値的性能によるものだけであったなら、プレイヤーはただ一番強い武器だけを選ぶだけです。

「ヒュドラの教室」では、お気に入りの武器1つを強化する楽しさと同じぐらい、多種多様な武器を使い分けることが楽しくなるような様々な工夫をしていますが、その中でも大きな特徴の1つが、距離による威力ボーナスと減衰に「種類」があるということです。

減衰タイプ適正距離でのダメージ補正距離による減衰率適正距離の範囲おもな銃
局地特化ダメージ倍率:極大ダメージ減衰:極大極めて狭いサブマシンガン
局地的ダメージ倍率:大ダメージ減衰:大狭いサブマシンガン
ハンドガン
平均的ダメージ倍率:中ダメージ減衰:中広いアサルトライフル
ハンドガン
ショットガン
広域特化ダメージ倍率:補正なしダメージ減衰:小さい極めて広いアサルトライフル
スナイパーライフル

※実際の銃弾は、22LRでも地面に落ちる寸前の平均エネルギーは0.69Kgm、223レミントンで2.49Kgmと、それほど威力が減衰するわけではないのですが、ゲームとしての面白さや爽快感を重視して、このような「減衰率」を採用することにしました。

近距離でサブマシンガンをぶっ放す爽快感、遠距離の敵をアサルトライフルやスナイパーライフルで狙う戦略性。また同じアサルトライフルでもサブマシンガン寄りだったり、マークスマンライフル寄りだったりといった違いがあり、ミッションやプレイスタイルに合った銃を選ぶ楽しみを実現しています。

また、工学部の生徒を救出して武器改造を行えるようになると、同じ武器でも減衰率などの性質が異なる銃を扱うことができるようになります。
たとえば同じ89式でも、改造によって製造することができるCQB(近接戦闘特化)仕様などは射程距離や減衰率が大きく異なります。

私が愛してやまない、ある傑作TPS作品をリスペクトして。
苦労の末にこのリロードシステムを実装しました。

リロードの時に、右下のゲージが動きます。
よくもう一度リロードボタンを押して、そのゲージを成功ゾーンで止めると、高速リロードが成功します。
また、成功ゾーンにある狭いゾーンでゲージを止めるとパーフェクトリロードとなり、リロード分の銃弾を撃った時の威力が倍増します。

逆に、成功ゾーンの外でゲージを止めてしまった場合は、ペナルティとして銃がジャム(弾詰まり)を起こして、リロードに余計時間がかかってしまいます。

緊急時に急いでリロードをすべきか、「急がば回れ」であえてアグレッシブリロードを狙わず、安全にリロードするかはプレイヤー次第です。

また、銃やアタッチメントによってアグレッシブリロードのしやすさに変化を持たせる予定です。

これは完全に個人的な意見なのですが、私は銃のハクスラ要素というのがあまり好きではありません。
DivisionもOutridersも大好きなTPS作品なのですが、整理整頓が苦手なので、インベントリが武器でいっぱいになるとうんざりしてしまうのです。

また、せっかく好きな銃が手に入っても、あまり好きではない、それより性能の良い銃が手に入るとモヤモヤしてしまいます。それに、銃の性能にランダム性を持たせてしまうと、それぞれの銃本来の特性が希薄になってしまいます。

ですが、敵を倒したり、ミッションをクリアしてレアアイテムが出ないかワクワクする「ハック&スラッシュ」な作品は大好きです。何度もそのミッションやマップをクリアしたくなる、とても魅力的な要素の1つだと思います。

そこで、「ヒュドラの教室」では、入手できるアタッチメントの性能にランダム性を持たせることによって、ハック&スラッシュの楽しさと、好きな銃を強化していく喜びを両立させようと考えています。

以前試行錯誤したアタッチメントの例です。
当初のアイディアよりもう少し複雑で拡張性の高いものにする予定ですが、このようにそれぞれの補正がかかったり、専用スキルを手に入れたりすることができるようになります。

レーザーサイトやフラッシュライト、サプレッサー(サイレンサー)なども、アタッチメントに含まれます。
ゲームバランスを左右する重要な要素になるので、設計は今のところ後回しにしていますが、ゲームプレイが楽しくなるように工夫をしたいと思います。

また、FPSゲームと違ってTPSゲームではホロサイトやドットサイトを付ける視覚的メリットがあまりないので、そこについても何か魅力を出せないか試行錯誤しているところです。

「ヒュドラの教室」では、マウス・キーボードとゲームパッド両対応ですが、ゲームパッドでの快適なプレイを目指しています。

エイムアシスト機能もその1つで、簡単すぎず、難しすぎない、自然なエイムアシストを用意しています。

これは、少し前に私が自分で実装したものですが、非常に高度なエイムアシストシステムのモジュールを購入したので、現在ではより精密な制御ができるようになりました。

また、マウス使用時のエイムアシストも工夫できるようになりました。

そこで、私は、このエイムアシストをオプション設定で変えるのではなく、銃ごとの特徴として持たせたいと考えています。

つまり、「この銃は火力は高いが反動が強く、エイムアシストが弱いので扱いづらい」とか、「この銃は目立った性能はないが、エイムアシストのバランスが自分にしっくりくる」といった選び方ができるようにすることで、肌に合ったお気に入りの武器を選ぶ楽しさが生み出せるのではないかと思っています。

また、アタッチメントでも微調整ができるようにしたいと思っています。

市街地での戦闘が多くなった近年の各国の軍隊では、CQB仕様、つまり、ストックや銃身を短くしたり、なるべくコンパクトにして近接戦闘に特化したライフルが多く登場するようになりました。

CQC(近接格闘術)の達人である御堂たまきにとっても、取り回しのしやすさというのは銃のカタログスペック以上に重要な意味を持ちます。

こうした一部の取り回しの良いアサルトライフルや、小型のサブマシンガンなどは、近接攻撃の時に必要となるゲージの最大数が増加したり、ゲージ回復のクールダウンが早まったりと、銃器使用以外でもメリットがあります。
さらに、一部のアタッチメントでも相乗効果が見込めます。

さらに、銃剣などを取り付けることができる銃には、銃剣突撃という専用アクションや、一定範囲の敵にクリティカル攻撃が当たった時に、自動でステルスキルに繋がったりなど、様々な恩恵もあったりと、それぞれの武器の性能が「ただの数字の差」ではなく、色々な銃を扱う楽しさを味わえるような、そんな作品を目指しています。

食にこだわりのない人に誘われて食事に行くと、がっかりすることが多いです。
だいたいオシャレなお店だけど、値段のわりにおいしくないからです。

三人称シューターゲームは、その名の通り銃で撃つことがメインなのに、プレイしてがっかりすることが多いです。

銃のラインナップ、発射音、マズルフラッシュ、排莢、スライドアクション。
そこにこだわりのない人がデザインしているから、撃った感じがしないのです。

本作は、私のそうした個人的なモヤモヤをすべて解消させたいと思っています。

これまでに、本作のたくさんの動画を公開してきましたが、正直、それらの部分については、まだまだブラッシュアップできていません。

登場させる銃があまりに多いために、それら1つ1つの発射音の違いやリロードアクションなどを徹底して作り込みたいから、今はまだあえて本格的には着手していないのです。
(銃ごとにあらゆる表現や性能を細かく変更するロジックはすでに実装済です)

ですが、必ず、素晴らしい仕上がりのものをお届けします。
最近、私がプレイした作品の中で、銃の発射音やエフェクトなどでプレイヤーとして満足した作品は、「コール・オブ・デューティー モダンウォーフェア2」です。

ヒュドラの教室では、あの水準のものを最低ラインとして提供するつもりでいます。
どうかご期待ください。